• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • ブランコは何故漕げるのか

    ぶらんこ

     先週の日曜日、子供を連れて公園に行った。子供は、ブランコが好きで空くとすぐに乗り、上手に漕いでいる。それを見ながら、何故ブランコは漕げるのか考えた。

    振り子

    振り子

     振り子は、Tの位置で離すと、Rの位置に来る。そして、元の位置と同じ高さUまで上がり、また降りて同じ高さTまで上がる。TからRに来た時に重りが含む移動エネルギーは、その重りをRからap上のQの位置に持ち上げる量である。

     仮に振り子の紐をPの位置で押さえたとしても、振り子は赤の位置Sまで振れる。それは、Qと同じ高さである。振り子の重りは、降りて来る際、移動エネルギーを蓄える。その移動エネルギーは、重りを元と同じ高さまで持ち上げる量である。従って、紐をどの位置で押さえても、同じ高さまで振れる。

    振り子を上下させる

    振り子を上下させる

     今度は、振り子がTからRに来た時、ap持ち上げて見る。但し、紐はOで押さえられているとする。重りがRに来た時、それが含むエネルギーは、Uの位置に持ち上げる量である。つまり、重りをap持ち上げる量である。それを、瞬時にQの位置に移動させる。Q位置にある重りは、その位置からap上がるエネルギーを含んでいる。従って、重りは、Uよりも更にap上のSまで振れる。

     Sの位置に来た時、今度は紐をap下げてやる。すると、重りがRの位置に来た時、その重りの持つエネルギーは、重りを2ap持ち上げる量となる。何故なら、その重りは2ap降りて来たからである。Rの位置に来た時、またap持ち上げてやると、重りはQから2ap上、即ちRから3ap上の高さまで上がる。
     これを繰り返すと、重りはだんだん大きく振れるようになる。

    ブランコの立ち漕ぎ

    立ち漕ぎ

     ブランコを立ち漕ぎしている時、Tの位置でしゃがみ、Rに来た時立ち上がる。そして、Sまで足を伸ばしていて、上がりきった時またしゃがむ。そして、Rに来た時また立ち上がる。

     TからSに来た時、そのまましゃがんでいれば、ブランコはUの位置まで上がる。Rに来た時ap立ち上がると、ブランコはUの位置よりもap高いSの位置にまで来る。これを繰り返すとブランコの揺れは次第に大きくなる。

    座って漕ぐ

    座って漕ぐ

     座って漕いでいる時も、T→Rまでは背中を丸めておいてRの位置で背中をピンと伸ばす。すると、上半身が上がった分、ブランコは大きく振れる。また足も、Tの位置ではだらんと下ろしていたものを、Rの位置で、上に振り上げる。足が上がった分体を持ち上げており、ブランコは大きく振れることになる。

     この様に、ブランコが下がり切った位置で、自分の体を持ち上げる。すると、体はその上がった位置から、ブランコが降りた高低差分上がるので、揺れは大きくなるのである。