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逆変換可能な必要十分条件+ローレンツ因子=ローレンツ変換

1.ローレンツ変換の分母は何故、√(1−V2/C2)なのか

 ローレンツ変換とは、次の変換式を言います。
t’= (t−Vx/C2) / √(1−V2/C2
x’=(x−Vt)/√(1−V2/C2
y’= y 
z’= z 

 時間t、及び進行方向である次元xの変換式の分母が√(1−V2/C2)となるのは何故でしょうか。

2.静止系

 アインシュタイン博士のイメージする宇宙は、空な空間を光や物質の粒子が移動するものです。そのイメージでは、 静止している系を示すことは出来ません。真空は本当に何も無い空間となり、その位置を考えることは出来ません。 従って、宇宙には物質しかなく、運動とは他の物質との相対的位置関係となります。

 そうなると、一方が静止しており他方が移動していると見えても、逆に他方が静止しており一方が移動しているとも考えられます。 つまり、歩いている私が前に進んでいるのか、私以外の全宇宙が後ろに移動しているのか示すことが出来なくなります。 移動を判断する基準(絶対静止の一点)がないので、静止系と言う特権を持つものは無く、 「全ての慣性系は同等」となります。

3.変換及び逆変換

 ある慣性系を静止と見ると、他の慣性系は移動している。その逆の見方も出来ます。従って、同一の変換式で全ての慣性系から 全ての慣性系に、変換又は逆変換出来なければなりません。
 静止していると見る慣性系Aの光(x,y,z,t)を、移動すると見る慣性系Bから見た光(x’,y’,z’,t’)に変換します。 静止系が無ければ、今度は静止していると見るB慣性系の光(x’,y’,z’,t’)を、Vを−Vにした同じ変換式により、 (x,y,z,t)を(x',y',z',t')にして逆変換すると、移動していると見る慣性系Aの元の光(x,y,z,t)に戻らなければなりません。 マックスウェルの方程式が、あらゆる慣性系で使える為には、変換後の電磁波(=光)は、常にCとなる変換式でなくてはなりません。


4.変換・逆変換した後の光が、常にCとならなければならない理由

 しかし、空間に何らかの実体があれば、その位置を考えることが出来ます。そうすると、その空間が静止系であり、 物質はその静止系を基準にして、移動しているか否か判断出来ます。空間には、光を一定速度で伝えているものが存在します。 従って、真空は何も無い空間ではなく、実体が存在しています。従って、あらゆる慣性系からあらゆる慣性系に、同一変換式で 変換及び逆変換出来る必要はありません。

 また、電磁波の相対速度は不変ではありません。マックスウェルの方程式があらゆる慣性系で使えるのは、電磁波の相対速度 が不変であるからではなく、粒子間の往復距離が、常に静止時と同じとなる様に、お互いの相対距離が収縮するからです。
そうなると、電磁波は移動速度Vに関わらず、常に往復距離は同じとなり、距離の2乗に反比例する電磁波の力は、移動する慣性系でも 静止時と同値なのです。

 しかし、一々電磁波の相対速度と粒子間の距離の変化を計算することは困難です。計算結果は同じなので、いっそのこと、光の相対速度 と粒子間の距離は変化しないと仮定して、移動する慣性系でそのままマックスウェルの方程式を使って計算した方が便利です。 そう仮定して計算しても、その結果通りに物理現象は進行するからです。これが、「光速度不変の要請」であり、現実とは異なりますが、 変換後の光は常にCである必要があるのです。ローレンツ変換は、この要請を完全に満たします。 また、静止系・運動する慣性系の区分なく、変換及び逆変換出来ます。

5.逆変換出来る要件

 ローレンツ変換は、「光速度不変の要請」と「逆変換が可能であること」の2つの要請のみから導かれた数式でしょうか。
観測者がX軸方向へ速度Vで移動しながら、光を観測すると言う条件のみを、仮定して「光速度不変の法則」と 「逆変換」が可能な数式の必要十分条件を調べて見ます。

@x’=x−Vt (観測者がX軸方向へ速度Vでt秒間移動したので、光のX軸方向の移動距離はその分少なく観測される)
Ay’=y   (観測者が、X軸方向へ速度Vでt秒間移動しても、光のY軸方向の移動距離は変化しない)
Bz’=z   (観測者が、X軸方向へ速度Vでt秒間移動しても、光のZ軸方向の移動距離は変化しない)
のみ仮定します。

 すると光速度が不変になる為に時間tの変換式は
t’=t*(√(C2−2VCcosθ+V2)/C )
となります。
 Ctcosθ=x ですので、
Ct’=t*(√(C2−(2Vx)/t+V2)/C )
です。@からCを基本変換式と呼びます

6.基本変換式で逆変換出来るか

 この基本変換式が、正変換で光速度不変の要求を満足するか、調べます。
Dx2+y2+z2=C2*t2
です。
Ex’2+y’2+z’2=C2*t’2
となるか調べます。

左辺=(x−Vt)2+y2+z2=x2−2Vtx+V2*t2+ y2+z2
右辺= C2*t2*(C2−(2Vx)/t+V2)/C2)= t2*(C2−(2Vx)/t+V2))= C2*t2−2Vtx+ V2*t2
−2Vtx+V2*t2の部分は等しく消えますので、残るのは
Dx2+y2+z2=C2*t2
となり、Eが常に成立し「光速度不変の要請」を満足します。

 今度は、基本変換式で、逆変換が出来るか調べてみます。
 逆変換式は、Vを−Vにし、(x,y,z,t)を(x',y',z',t')にします。
Fx=x’+Vt’
Gy=y’
Hz=z’
It=t’*(√(C2+(2Vx’)/t’+V2)/C )
となります。今
Ex’2+y’2+z’2=C2*t’2
は成立しています。そこで、
Dx2+y2+z2=C2*t2
が成立するか調べてみます。

左辺=(x’+Vt’)2+y’2+z’2=x’2+2Vt’x’+V2*t’2+ y’2+z’2
右辺= C2*t’2*(C2+(2Vx’)/t’+V2)/C2)= t’2*(C2+(2Vx’)/t’+V2))= C2*t’2+2Vt’x’+ V2*t’2
2Vt’x’+V2*t’2の部分が等しく消えますので、残るのは
Ex’2+y’2+z’2=C2*t’2
となります。Dは常に成立し、基本変換式で逆変換を行っても、「光速度不変の要請」を満足します。

7.図解

 このことを、図で表現すると次の通りとなります。

正変換と逆変換

 観測者(赤矢印)から見た光bは光aと観測されます。つまり観測者が速度Vで移動すると、光b(Ct)は第二余弦定理により、 光a(√(C2+V2−(2Vx)/t))に変換されます。時間tも√(C2−(2Vx)/t +V2)/Cに変換される為(光bのみでなく、 O→P方向へ伝わる4つの力は全て同様の変化をしているので、その方向へは4つの力が伝わるのに要する時間は t’=t*√(C2+V2−2CVcosθ)/Cと変化しています。つまり、それだけ物質時間は変化しています)、光速度は一定です。

 今度は逆に、観測者(青矢印)が光aを速度−Vで移動しながら観測すると、光aは第二余弦定理により、元の光bに変換されます。 時間も同じ割合で変化し(考え方は上記と同様)、光速度不変の要求を満足します。正変換と逆変換は、 基本変換式で自在に出来ます。


8.ローレンツが分母を√(1−V2/C2)とした理由

 従って、「光速度不変の法則」と「逆変換」が可能な数式を求めるだけであれば、基本変換式で必要十分であり、 ローレンツ変換の様に、時間t及び進行方向である次元xの変換式の分母が√(1−V2/C2)となる必要は全くありません。 それには、もっと他の意味がある様です。

 ローレンツは、「エーテル」を静止系と考えました。ローレンツは、移動した場合、物質はエーテルの抵抗を正面から受けるので、 進行方向へ√(1−V2/C2)収縮すると考えました。これをローレンツ収縮と言います。
 Y軸やZ軸方向は「エーテル」の抵抗を受けないので、その方向へは物質は収縮しません。

 このローレンツ収縮により、マイケルソンとモーレーの実験装置は、進行方向へ√(1−V2/C2)収縮し、
縦方向の往復距離=横方向の往復距離=11/√(1−V2/C2)m
となる為、光は同時に戻ることが出来たと考えました。

 基本変換式のtとxの変換式の分母に(1−V2/C2)を付けると、ローレンツ変換になります。そして、 付け加えても、逆変換の出来る式となっています。

9.分母が√(1−V2/C2)となる真の理由

 第一変換と第三変換を統合すると、
t’=t/√(1−V2/C2
x’=x/√(1−V2/C2
y’=y
z’=z
となります(第一変換と第三変換の詳細はトップページを参照下さい)。従って、変換には基本変換式のみでは足りず、 tとxの分母に√(1−V2/C2を加える必要があるのです。