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高速移動するμ(ミュー)粒子の崩壊が遅れる仕組み

 太陽の原子核反応により多数の宇宙線が発生し、それが大気に突入し多数のμ粒子が生じ地上に降り注いでいます。しかし、本来の速度で崩壊が進めば、μ粒子は平均寿命2.2×10-6秒なので、光速度c=3.0×109m/秒とすると 2,200×3=6,600mまでしか移動出来ず、大気の途中で崩壊し地上まで達しないはずです。

 これは、何故でしょうか。本当に、高速で移動すると時間の経過そのものが遅れるのでしょうか。
 高速で移動する時計は遅れます。実際に、GPS衛星搭載の時計は、高速移動するので地上の時計に比べて1秒間に100億分の2.55秒ゆっくりと時を刻みます(但し、ここでは重力の影響を考えません)。その為に、その時計は、地上では100億分の2.55秒早く進む様に設定されています。

 では、何故時計が高速で移動すると遅れるのでしょうか。本当に、高速で移動すると、その時計に流れる時間の経過が遅れるのでしょうか。それとも、ただ時計が動き難くなっただけでしょうか。

 光速に近づく程、物質は動かし難くなります。これは、加速器の実験でも実証されています。
 また、カウフマンは、様々な速度の電子に電磁力を掛けて前後左右方向へ曲げる実験を行いました。その結果、電子の速度が速い程曲げ難く、v[m/s]で移動する電子は√(1-v2/c2)倍しか曲げることが出来ないことが分かりました。
 つまり、v[m/s]で移動する物質は、静止時に比べて√(1-v2/c2)倍しか動けないのです。ですから、v[m/s]で移動する時計は部品が動き難くなり、1秒間に√(1-v2/c2)秒を刻む様になります。変換式は、t'=t*√(1-v2/c2)です。これは、GPS衛星搭載の時計の遅れに一致しています。

 一方、「時間の経過の遅れる仕組み」を考えることは出来ません。時間は他のもので組み立てることが出来ず構造を持たないので、変化する仕組みを考えることが出来ないのです。ただ、「時間は遅れる」としか言えません。しかし、時間の遅れでしか説明出来ない現象があれば、時間が遅れると言えるでしょう。

 ここに原子時計があります。この時計は、原子が60回振動すると1秒を刻むとします。そして、v[m/s]で移動すると、原子の振動回数は半分の30回となりました。その為、この原子時計は、1秒間に0.5秒を刻む様になりました。では、原子に流れる時間の経過が半分に遅れたのでしょうか。それとも、原子が動き難くなっただけでしょうか。
 原子が光速に達すると、その原子は振動することは出来ません。少しでも振動すると、光速を超えてしまうからです。従って、時計は時を刻むのを止めます。このことからも、高速で移動する原子は動き難くなっていることが分かります。
 この上更に、時間の経過が√(1-v2/c2)倍となると、時間の変換式はt'=t*(1-v2/c2)となり、GPS衛星搭載の時計の遅れとは乖離します。

 そもそも、時間全体が変化しても何も変らないのです。DVDを早送りで見てもスローで見ても、ストーリーや結末は同じです。何故なら、時間の変化に合わせて、物質の変化のスピードも変化するからです。変化していない時間は無いので、DVD中の登場人物には、時間の経過が変化した事自体分かりません。
 DVD内世界の一部の時間の経過が遅れた時、因果関係が変化します。高速で移動している部分のみ時間の経過がゆっくりとなるのは何故でしょうか。それは、高速移動する物質は動き難くなり、物質変化のスピードが遅れるからです。
 これで、物質には移動速度に応じた時間の経過があることを、上手に説明することが出来ます。
 この様に、μ粒子が高速で移動した為、 μ粒子自身の内部構造が動き難くなり、崩壊のスピードが遅くなって地上にまで到達したのです。μ粒子に流れる時間の経過が遅くなったので、地上出来た到達した訳ではありません。
 ある方は、μ粒子は素粒子であるので内部構造を持たないと反論されました。しかし、内部構造がないのに崩壊すると言うこと自体矛盾しています。μ粒子もより基本的なもので説明され、その時内部構造が明らかにされ崩壊のシステムが判明するでしょう。

 私がμ粒子と同じ速度で移動すると、私はゆっくりと動き思考し年を取る様になります。私が地上の静止している人を見ると、その人は速く動き思考し年を取る様に見えます。しかし、実際には私の反応速度がゆっくりとなっただけです。